引っ越すときにお金がかかる?原状回復義務について知っておこう

公開日:2021/01/01  最終更新日:2020/12/22


引っ越しで部屋を明け渡すときに「原状回復義務」というのを聞いたことがありますよね。そんな中で、「原状回復義務ではお金がかかるの?」「どれぐらいお金がかかるの?」といった疑問はありませんか?もし、退去時に追加の支払い料金が発生してしまうと嫌ですよね。そこで、今回は、現業回復義務について詳しく解説していきましょう。

原状回復義務とは

原状回復義務とは、「アパートやマンションなどの賃貸住宅を退去するときに入居時の状態に戻ること」を意味しています。つまり、「借主はどこまできれいにして退去すればよいか」ということに悩むのではないでしょうか。

トラブルに巻き込まれないためにも、借主はどこまで原状回復をすればよいのか、どこから借主が支払うべきなのかを知っておくことが大切です。一般的に、原状回復費は契約時に敷金(保証金)から差引かれるので、出費の多い転居時に多額を請求されても心配はいりません。

原状回復が必要となるケース

実は原状回復義務といっても、入居時とまったく同じ状態に戻すわけではありません。自然消耗や経年劣化について、借主が原状回復義務を負わないとされています。この原則を踏まえて、原状回復が必要な場合と不要な場合について紹介していきます。

まず、原状回復が必要な判断に、善管注意義務に反したかどうか重要になってきます。善管注意義務というのは「社会的に通常期待される範囲で目的物を管理しなくてはならない」という意味です。善管注意義務に反した場合は、原状回復の責任を負わなくてはいけません。

たとえば、「飲み物をこぼしてシミやカビができた」「鍵を紛失した」「壁にペットの傷や子どもが落書きをつけた」などがあげられます。そのため、入居前に傷やシミなどを必ず部屋の隅々までチェックしておきましょう。もし、キズやシミがあれば写真を撮っておき、「つけた、つけてない」というトラブルになる前に不動産会社と情報を共有しておくようにします。

原状回復が不要な場合は、自然消耗や経年劣化した場合です。たとえば、「日照によってクロスが変色した」、「自然災害でガラスが損傷した」などが挙げられます。また、耐用年数経過による浴槽のひび割れも経年劣化なので、原状回復が不要になります。他にも、テレビや冷蔵庫の後部の壁面の黒ずみ(=電気ヤケ)は「通常の使用」になるので借主の負担にはなりません。

こまめな掃除と手入れが大切

退去時に原状回復義務が課せられないように、普段からこまめな掃除と手入れが大切になります。退去時に「カビなどの水回りの汚れが落ちない!」とならないように、掃除する習慣をつけておくのがおすすめです。もし、壁などが汚れてしまったら、きちんと掃除して汚れや傷が広がらないように気をつけましょう。

普段の生活の清掃を心がければ、新たに大きな出費が発生する可能性は低くなります。もし、自分が建てた新築物件だったとしたら、毎日丁寧に掃除して、飲み物もこぼれないように細心の注意を払うと思います。賃貸物件ですが人から借りている大切な物件という気持ちを忘れずに日々の生活を送るようにしましょう。

 

今回は、原状回復義務について解説していきました。原状回復義務とは「借主の責任によって生じた傷を復旧すること」でした。「壁のシミやカビ」や「ペットがつけた柱やクロスのキズ」などは原状回復が必要となります。反対に、「日照による壁や床の変色」や「家具の設置による床のへこみ」などは原状回復が必要になりません。原状回復費用は多くの場合、敷金で賄われますが、引っ越すときに余計な出費が発生しないように、普段からこまめな掃除と手入れをしておくことが大切です。

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WRITER沢野圭太
埼玉県出身。不動産歴6年。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーとしての視点で不動産情報を日々発信しています。
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